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アボカズヒロ インタビュー || 2005年1月、ある幼稚園で園児を対象にしてDJプレイやクラブミュージックを体験させる試みが行われた。園児達がはしゃいで踊りまくるビデオは、Web上で公開され、音楽関係者達を含め多方面から期待の声が寄せられている。
今回検証された幼稚園の子供もDJのプレイを楽しんだという事実は、これから一体どのような可能性へ繋がっていくのだろうか。DJはクラブだけでなく、より幅広い活躍の場が与えられることを望んでいるのか?またそういった新しい時代の要請があるのだろうか? DJとして、そして東京藝術大学で学生としてこの研究を始めたアボカズヒロに彼の研究やこれからのDJ観について訊いてみた。
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研究テーマについて

--- 今のところの研究テーマはどういうものなんですか?

アボカズヒロ 幼稚園ということが大きくクローズアップされてしまいがちなのですが、いわゆるクラブの躍らせ方の定石が通用しない人口を相手にして、それを分析することで、DJとしてのスキルに還元していこう。という感じなんですね。実はですね。僕、今まで学校では音楽制作や録音技術を学ぶほうの畑にずっと居たんですね。
それで、研究というフィールドでなにかやるのはこれが初めてといってもいいんですよ。企画や製作とかは少しやってたんですけど。

--- 確かまだ20歳ですよね。

アボカズヒロ そうです、二十歳で2年です。それで、いきなりこういう反響で。正直戸惑っているところも大きいです。
不慣れなところも大きいし、自分自身“研究者”という意識もまだまだ少なかったり。
やはり、まだ頭は現場(クラブ)の頭ですからね

--- ちょっと聴いてすぐわかんなかったんですが、幼稚園ではRoyksopp? なんかも使っていたそうで

アボカズヒロ そうですね。ハウスバージョンのレコード。たしかブートですね

--- 今時の旬のものまで使う!というのがすごい。
DJとして、大人相手に回す時と特に違う、ということはありましたか?

アボカズヒロ 選曲基準は、1.今が旬のトラックモノ(分かりづらいかもしれない) 2.アンセム的な定番もの(セプテンバーとか) 3.言葉のメッセージが分かりやすいキャッチーな曲(YOU THE ROCKとか) 4.今流行の子供向けアニメソング 5.昔の子供向けアニメソング、という感じで選びました。
DJとして、まわす上では大人相手に回すときと、選曲の一部以外はほとんどかわりませんね。ガチでやる。ということに少しこだわってみました。

当日のプレイリストはこちら?

--- なんかマツケンサンバもかけたとか。

アボカズヒロ そうですね。アンコールセットの1曲目です

--- ビデオは10分ぐらいでしたが、実際にパフォーマンスしたのは全部でどのくらいだったんですか?

アボカズヒロ あのあと20分くらいまわして、そこで一端音をとめて疲れた子や飽きた子を教室にもどし、その後まだまだ足りない子のために15分くらいまわしました

--- 今回の全体の構成とかのメモは書いてありました?

アボカズヒロ セットのですか?

--- ええ。まず最初、導入に「これからみんなで一緒に踊ろうぜ」というあの合成した声からはじめましたよね。それでここではこれを狙った、みたいなことを覚え書き程度でも書き出してましたか?

アボカズヒロ 前の日にレコードをそろえるときに考えたくらいですね、構成としては。あいさつ → 一般的クラブトラック → アンセムとよばれるもの → 子供向け と、時間がすすむにつれて子供たちに歩み寄っていく感じで考えました。それは保険的な意味もありますし、あと、最初からアニソンとかで盛り上げて暖めてしまっても、正確な結果がえられないんじゃないか?とおもったからです。結果的には暖まってましたけど。30秒で

--- ビデオを観た僕の感想なんですが、大人も結構いろんな人がクラブの空間にいるけど、子供でもそれは結構似ているところがあるんだなと思いました。例えば、社交にいそしむタイプがいたりとか。

アボカズヒロ 女の子は特に“社会”が形成されつつあるという印象はうけますね

--- そういう感じですね。ビデオ観た限りは。
でも一番盛り上がってる時はみんな踊ってるし、そういうところもクラブと一緒で。

アボカズヒロ そうですね。かなり近いところまでいってますね

photo
“幼稚園でDJをするための準備

--- 幼稚園には機材とか自前で持っていったんですか?

アボカズヒロ DJ機材は自前、スピーカーが学校から借りたものです。大きなスピーカー2発と、DJセット。と、あと人も、園児の安全や機材の保守のためには最低でも5,6人必要なんですよ。

--- こういうボランティア募集、とか言ってみてもいいかも

アボカズヒロ とりあえず、当面の大きな問題は足ですね。市内でやってる分にはなんとかなるんです。市内だったら、僕のうちから幼稚園まで車を2往復、3往復させればいいんですけれど、都内とかになると大変ですよね。でっかい車で数台でいくかということになるので。

--- あ、音楽環境創造科?って茨城なんですね

アボカズヒロ そうですね。茨城です。上野から電車で40分くらいです。

--- DJだったら、パフォーマンス自体にはそんなに人手は要りませんよね。

アボカズヒロ そうですね。一人でOK。だけど、撮影が3カメくらい必要なのと、あとは、園児が機材とかに近づいてった時にやんわり遠ざけてあげる安全管理のスタッフが何人か。そうすると、まぁそれなりに必要なんですよね。人数。相手は行儀よく座っているだけではないので。

--- 企画全体をすすめるためには人数がそれなりに必要ですけど、DJってやりはじめたらやはり一人の世界に入ってしまうものですか?

アボカズヒロ 一人であり、70人の世界ですね。クラウドと自分ですね。カメラマンとかは立ち入れない世界ですね。ただ、僕は自己表現をするタイプのDJではないので、とにかくフロアにお伺いをたてて、観察して、フィードバックする。まぁ、たまにハメをはずすのもいいよ。くらいのことは教えたいですね(笑)

--- 今回幼稚園の方とどういう感じで打ち合わせをしたんですか?

アボカズヒロ 今回は電話で「子供たちのために楽しい音楽をきかせて遊ぶというワークショップをしているのですが」という感じで電話をしてですね、そのあとは人数のこと、機材のことを簡単に打ち合わせして、実行という感じであまり綿密な打ち合わせはしていなかったです。

--- 結構すんなりと決まった感じですね

アボカズヒロ そうですね。
でも園長先生がお年を召したかたで、DJというものを理解するのに結構時間がかかってしまったり

--- 終わった後の先生方の反応はどうでしたか?

アボカズヒロ 「どういうものか分からなかったけど、想像より面白かった」という意味深なコメントをいただきました

--- 別に意味深ってことはないかと:)

アボカズヒロ ははは。とりあえず、子供が楽しんでいたのでいいね。みたいな感じでしたね

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